社会の窓からこんにちわ

長文のエントリーが多いので、休み休み読んでいただくのがいいかと思います。
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【2015.04.27 Monday 】 author : スポンサードリンク | - | - | - |
ヘルブレイン 血塗られた頭脳◇こんど電話くれ。
衝撃のジャケット写真。
ヘルブレイン 血塗られた頭脳
<1989年/アメリカ/90分>


原題:
SILENT NIGHT, DEADLY NIGHT 3
SILENT NIGHT, DEADLY NIGHT III: BETTER WATCH OUT!


監督: モンテ・ヘルマン Monte Hellman
製作: アーサー・H・ゴーソン Arthur H. Gorson
製作総指揮: リチャード・N・グラッドスタイン Richard N. Gladstein
ロンナ・B・ウォーレス Ronna B. Wallace
脚本: カルロス・ラズロ Carlos Lazlo
スティーヴン・ゲイドス Steven Gaydos
撮影: ジョゼッペ・M・シヴィット
音楽: スティーヴン・ソルズ Steven Soles
 
出演:
サマンサ・スカリー(ローラ)
ビル・モズレイ(リッキー・コールドウェル)
リチャード・C・アダムス(サンタ)
リチャード・ベイマー(ニューバリー医師)
メリッサ・ヘルマン(ニューバリー医師のアシスタント)
イザベル・クーレイ(病院事務員)
エリック・ダ・レー(クリス)
レオナード・マン
ローラ・ヘリング(ジェリー)
カルロス・パロミノ(トラック運転手)
エリザベス・ホフマン(グラニー)
マルク・ディートリッヒ(ガソリンスタンド従業員)
ジム・ラッド(ニュースキャスター)
ロバート・カルプ(コネリー少佐)



ビデオのジャケットには
ジェイソン「13日の金曜日」、フレディ「エルム街の悪夢」に続く
スプラッター・ホラー界にニューキャラクター登場!

と謳われているが、登場時にそういうことを言われて定着したキャラクターのいたためしがないというのは皆さんご存知の通り。

邦題を見る限りでは全く気付かないが、原題を見ると、どうやら『悪魔のサンタクロース/惨殺の斧』のパート3らしい。パート1も2も観ていないから、内容的につながっているのかどうかはわからないが、とりあえずぼくは問題なかった。
が、前作とのつながりに関しては問題ないものの、内容のほうはサプライズの連発。あ、いや、数的には連発というほどじゃないんだけど、1発1発が重いので、ついそういうふうに感じてしまう。


6年間にわたって昏睡状態のリッキーという殺人鬼がいて、彼の意識状態を探ろうと、超科学系の医者・ニューバリーはある実験を試みる。それは、超能力を持つ盲目の少女ローラを催眠にかけ、彼女の夢とリッキーの夢をリンクさせるというものだった。
その夢リンクがきっかけとなって、クリスマスの夜にリッキーは意識を取り戻す。リンク相手であるローラを求め、殺人を繰り返しながら彼女のあとを追うリッキー。
何も知らず里帰りしている彼女のもとに、殺人鬼が徐々に近付いていく……


というのが主なストーリーで、こうして見るとなかなかサスペンスフルな物語にも思える。盲目の女性を追う殺人鬼っていう設定も、その過剰なハンデが非常なスリルを予感させてくれるし。

ところがここに、それら全ての期待を、一瞬のうちに粉々に破壊してしまう要素が存在するとしたらどうだろう。
どうだろうというか、残念ながら実際に存在するわけだが。

その要素とは、
殺人鬼のルックスそのものであった。

言葉を費やすよりも、現物を見ていただくのがいちばんだろう。
ではどうぞ。


培養液が脳にしみるぜ。
バオーン。



どうだろうか。
真っ先に思い出すのはハカイダーであるが、まさに『ヘルブレイン』、地獄脳の名に恥じないルックスではある。
ちなみに彼のフェイバリット凶器はメス。
見た目に反して武器は地味であった。


「俺様に似ているだと!?」
元祖・脳みそむき出し男。



リッキーがどうしてこういう姿になってしまったかというと、彼は6年前にサンタの格好で殺人を犯そうとしたところを刑事に撃たれ、脳を吹っ飛ばされてしまったのである。
普通そんなことをされたらゾンビでも死ぬが、どっこいリッキーは生きていた。
冒頭でリンク実験も行なっていたニューバリー医師は、よせばいいのにその脳を、どうやったのかは謎だがともかく復元。砕けてしまった頭蓋骨の替わりにガラスケースをかぶせておいたため、このようなインパクト絶大なルックスになってしまったというわけだ。
それにしてもネジ留めはないんじゃないかと思うが。


目覚めた彼は病院を抜け出して、祖母の家に里帰りしたローラを直感的に追いかけるのだが、その際の手段はヒッチハイク
ちなみに服装は、患者服というのだろうか、下の写真のような白いうわっぱりだったのだが、こんな服装も中身もひと目でわかるほど異常な人が、親指立ててフラフラ歩いてるんだから、到底うまくいくとは思えない。

「笑わないでくれないか……」
目立つどころの騒ぎではない。


……と思ったら、
「メリークリスマス!」
気にも留めずに停まってあげる車があるんだから、さすがは自由の国アメリカといえる。クリスマスって何でもありなのか、向こうでは。
リッキーも恩に感じたのか、おとなしく助手席に乗って、運転手のおっちゃんの話に耳を傾ける。
ところが運ちゃんが
「クリスマスには毎年コレ着せられて参るんだよ〜」
真赤なセーターを見せると、なぜかリッキーの態度は豹変。
運ちゃんを惨殺し、車だけいただいてローラ追跡を続行するのだった。

じつはリッキーは、赤い色を見ると殺人衝動が湧き上がる体質だったらしく……ってマンガの牛じゃないんだから。
そんなことで殺されてしまう運ちゃんが哀れでならないが、なにせクリスマス、赤い服はそこいらじゅうに溢れているのである。
結局、同じ理由で他にも2名ほど血祭りに上げられてしまったのであった。

いっぽう、ローラのほうも、リンク中の夢で見た脳みそむき出し男が、自分を追ってくる気配に気付き始めていた。


この後はよくある展開なので、一部はしょって紹介すると、ローラの実家に侵入したリッキーは、ローラの祖母と兄とその彼女を殺害。さらに、リッキーを保護しようと追ってきたニューバリー医師までもが倒されてしまう。

なおこのニューバリー医師、人をからかうのが趣味の(としか見えない)老刑事と一緒にリッキーを追跡するんだけど、その刑事との最期のやり取りも、相当狂ったことになっている。

リッキーにやられて虫の息のニューバリー医師を発見し、「いわんこっちゃない」という表情で歩み寄る老刑事。
しっかりしろとでも言うのかと思ったら、涼しい顔で発した言葉がなんと

「こんど電話くれ」

これにはさすがにニューバリー医師も
「バカなことを言うもんじゃない」
と苦しい息の下でツッコミを入れるが、そのまま絶命
ツッコミが最期の言葉になってしまったわけで、浮かばれないこと確実な死に際といえる。


さて、逃げまどううちに次々仲間を殺され、ついに一人きりになってしまったローラに近寄る殺人鬼。
「ろぉ〜らぁ〜……」
その声に振り向き、なぜか自分から近寄る盲目の少女。
顔を確かめるためか、リッキーの顔面をなでると、彼はうっとりとして……って何しに来たんだ君は。
どうやらこの時点までは、リッキーは彼女にホの字だったようだ。

ローラはローラで、顔を撫でていた手が頭部に触れると、その時点でようやく誰かわかったらしく、悲鳴を上げて逃げ去ってしまう。

鈍すぎといえる。

ホレた女に悲鳴をあげて逃げられたことにキレたリッキーによって、結局ふたたび追い詰められたローラ。
そんな彼女のピンチに、なんと殺された祖母の霊が語りかけてきた。

「あなたのもつ力、超能力を使うのよ。
 レンズで光を集めるように、力を集中して……
 そうすれば、あなたは負けないわ」

そんなありがたいアドバイスをもらいながら、結局超能力は使わなかったりするあたりが、この映画のすごいところ。
おばあちゃんも草葉の陰で泣いているかも知れない。

ではどうやって立ち向かったのか。
じつは生きていた兄と協力して、みごとリッキーを返り討ちにしたのであった。
あんまりめでたくもないが、めでたしめでたし。


……かと思いきや、本作最大のサプライズは、この直後に待ち構えていた。




こういう映画ではいつものことだが、全て解決した後に警察が大挙して到着。
保護したローラをパトカーに乗せた刑事は、彼女にこう語りかける。
「今回の事件は、わからないことだらけだよ……」
もっともな意見である。
すると彼女はなぜか微笑を浮かべ、
「メリー・クリスマス」
と意味のわからない返事を。
狼狽する観客を尻目に画面はフェードアウト、このまま終劇かよと思ったのも束の間。


おもむろに、暗闇にタキシード姿のリッキー(もちろん脳みそむき出し)が浮かび上がり、


「そして、よいお年を」


驚くべき締めの一言を発したのだった。

映画はそのまま無責任にもエンドロールに突入、フォローも何もないまま終わってしまうのだが、殺人鬼に「よいお年を」と言われたこっちはどうすればいいのだ。


「正装の殺人鬼が年末のご挨拶」

という前代未聞の終わり方をするこの作品。
たしかに「ニューキャラクター登場!」だったといえるが、やり逃げにも程があるんじゃないか。




【2005.11.14 Monday 02:29】 author : 猫パンチ | 映画 ハ行 | comments(16) | trackbacks(0) |
プルシアンブルーの肖像◇少女を襲う大人たち。
プルシアンブルーの肖像
プルシアンブルーの肖像
1986年/日本(東宝)/94分


スタッフ
監督: 多賀英典 タガヒデノリ
製作: 多賀英典 タガヒデノリ
プロデューサー: 伊地智啓 イジチケイ
原案: 松井五郎 マツイゴロウ
脚本: 西岡琢也 ニシオカタクヤ
撮影: 大岡新一 オオオカシンイチ
音楽: 安全地帯 アンゼンチタイ
星勝 ホシカツ
主題曲: 安全地帯 アンゼンチタイ
美術: 小川富美夫 オガワフミオ
編集: 鈴木晄 スズキアキラ
録音: 紅谷愃一 ベニタニケンイチ
スクリプター: 渋谷典子 
助監督: 佐藤雅道 サトウマサミチ
照明: 熊谷秀夫 クマガイヒデオ


キャスト(役名)
高橋かおり タカハシカオリ (桐島冬花)
玉置浩二 タマキコウジ (萩原秋人)
磯崎亜紀子 イソザキアキコ (菊井カズミ)
長尾豪二郎  (梅本春彦)
田付貴彦  (少年時代の秋人)
原田美枝子 ハラダミエコ (尾花弘美)
村上弘明 ムラカミヒロアキ (深見先生)
立石夕香  (藤崎夏美)
高橋リサ タカハシリサ (垣田初子)


解説
夏休みの小学校を舞台に、次々と起こる不可解な現象を描く。松井五郎の原案をもとに「犬死にせしもの」の西岡琢也が脚本化。監督はこれが第一回作品となるプロデューサーの多賀英典、撮影は「まんだら屋の良太」の大岡新一がそれぞれ担当。主題歌は、安全地帯(「プルシアンブルーの肖像」)。

ストーリー(キネ旬DBより) ※ストーリーの結末まで記載されていますので、ご注意ください
小学校6年の菊井カズミはタダシという少年と交換日記をしていた。それを運ぶのは萩原秋人。この日、カズミは初めてタダシと会うため約束の小学校の音楽室に行った。だが、誰もいない。暫くして秋人が現われた。
秋人とタダシは同一人物でカズミもそれに気づいていた。素直に自分の思いを打ち明けられない秋人が別の名前を語っていたのだ。
突然の初潮に驚いたカズミは、秋人から逃げだし、時計塔から落ちて死んでしまう。
15年後、秋人は同じ小学校の用務員となっていたが、あの事件以来言葉を失っていた。
6年生の桐島冬花は給食が嫌いで、他の女の子からいつもいじめられている、ひとりで対話をするのが好きな孤独な少女。彼女は同級生の梅本春彦と好意をよせあっている。
夏休みに入って、学校に不可解な現象が起きた。冬花をいじめるグループの垣田初子と藤崎夏美が次々と失踪したのだ。二人とも新校舎と旧校舎を結ぶ渡り廊下に消えて行くのを冬花は見た。だが、渡り廊下に通じる扉には厳重な鍵がかかっており、誰も信用してくれない。初子と夏美は担任の深見先生に、日記を盗み読まれ落ち込んでいたのだった。
深見に日記を読まれた冬花はその事実を知り、残忍に迫る深見から逃げる。深見は冬花を探しに旧校舎へ行き、そこで夏美たちの亡霊に苦しめられる。そして、渡り廊下の入口で彼は死体となって発見された。
どの事件の時も、秋人の影があった。音楽教師の尾花に乗り移ったカズミは、春彦に冬花を守るように告げた。
春彦はある日、冬花と心が通じ合っていると思われていた秋人の、もう一つの恐ろしい顔を見てしまう。秋人は冬花を守ろうとしていたが、とうとう恐ろしい面を現し、冬花を渡り廊下の奥の15年前、カズミを埋めた時計塔の床に埋めようとする。だが、そこにはカズミの死体ではなく、自分の恐ろしい顔があった。
そこにカズミの声がする。彼女はこの日を待っていたこと、秋人とタダシが同一人物と知っており、秋人を想っていたと告げる。また、夏美たちや深見のことは自分のいたずらだったと。
冬花は彼女を探しに来た春彦と共にカズミの言葉に従い、火をつけて本校舎へ逃げた。
秋人は口を開き、カズミが好きだった。僕にはもう一人の自分がいる。だが、それを知られたらきっと嫌われてしまうと思ったと言う。カズミに抱かれた秋人は、少年の日の秋人に戻っていた。


安全地帯の玉置浩二が映画に初出演、しかも主演ということで話題になった映画。
ふつうこういう場合は恋愛ものとかなんとか無難なジャンルを選択するものだが、そこはアバンギャルドな映画を数多く世に送り出したキティ・フィルム。選び取ったジャンルはなんと学園ホラーであった。
しかも玉置の役どころは、心に秘密を抱えた小学校の用務員
やらせるほうもやらせるほうだが、やるほうも大したものである。

そういう経緯で作られた映画のため、観るまでは安全地帯のプロモ的な作品かと思っていたのだが、実際は玉置とともに主演した少女・高橋かおりのプロモであった。


この映画が作られた1980年代中ごろ、日本映画はファンタジーを好んで描いていた。
そういう時代の空気みたいなものの中で作られたから仕方ないといえば仕方ないけれど、中には「宮沢賢治っぽくしときゃいいだろう」みたいなやっつけ映画も少なからずあった。
そのスタンスが適当すぎて、観客が腰を抜かすような出来の作品もあったりするので、ぼくとしては有難いわけだが。

そういうわけで、この映画もファンタジーテイストが強い。
恐怖映画であり、ファンタジー映画であり、ジュブナイル映画でもあり、いわば「学校の怪談」ものの先駆けとも言える手触りの映画である。

しかしファンタジーというのは、作品を幻想的に仕上げるヴェールである反面、使い方を誤ると非常に(観客が)イタい思いを味わう針のむしろでもあるのだ。
この映画がそうだとは言わない。違うとも言えないわけだが。
で、この映画の場合、どこが痛々しいかというと、主人公・高橋かおりのキャラクター設定だ。

風と話が出来る少女という設定らしい。

小学6年生の彼女は、だれもいない校舎の屋上に行っては、一人で会話したり、手乗り人形とワルツを踊ったりしている。
ちょっと心配になるほどの奇行である。
案の定、クラスの女の子にいじめられてるし。

そのいじめられる高橋かおりをじっと見守るのが、用務員の玉置浩二。
上に引用したストーリーを読んでもらうとわかるように、彼は口がきけないという設定だが、高橋かおりだけは彼の言葉がわかる。

どうして言葉がわかるのかとか、どうして玉置浩二が高橋かおりに入れ込むのかとかの理由は一切説明されないが、ともかく2人は次第に親密になっていく。
たぶん「心を閉ざした青年と純真な少女との心のふれあい」とか「フランケンシュタインと少女」みたいな感じのモチーフがあったんじゃないかと思うが、この映画での玉置浩二は、スタイリングや目つきなどが変質者然としているせいで、映画の意図とは違った意味でリアルな怖さをかもし出してしまっているのであった。

挙動の怪しい玉置浩二。
少女物色中。



ところで劇中、高橋かおりをいじめていた女生徒が謎の失踪を遂げるのだが、その原因を作ったのが担任教師・村上弘明。
かつて仮面ライダーも演じた二枚目俳優である。

常日ごろ生徒たちに
「日記を毎日つけるんだ。正直に書かないとダメだぞ」
と薦める彼。
じつは日記フェチで、そうして書かせた日記を盗み、ひとり読んで悦に入る性癖の持ち主なのであった。
そればかりか、生意気そうな女生徒を呼び出して、本人の目の前で盗み出した日記を朗読。彼女らが泣くのを見て喜んでいたのだ。

「先生とイイコトしようね…」
小学生に迫る村上弘明。


女生徒たちは、村上弘明に日記を朗読されたショックで失踪していたのであった……って、語られていない部分でもっとヒドいことをされていそうな感じがするが。

その村上弘明、同じ手口で高橋かおりに迫るのだが逃げ出され、
「逃げられんぞ!俺からは逃げられん!」
よくわからないことを言いながら校舎を追いかけ回す。
そのまま旧校舎に迷い込んだ彼は、失踪した女子の霊に襲われて死んでしまうのだった。

変態教師。
「お前の日記も朗読してやろうか!」


薄笑いを浮かべながら少女を追い回す村上弘明の姿は、スカイライダーの凛々しさなど微塵もうかがえないナイスジョブであった。

さて、校舎に横たわる村上弘明の死体を発見した高橋かおりは、ひとり屋上で
「風さん、教えて。
 どうしてこんなに恐ろしいことばかり起こるの?」
と呑気なことを言う。
通報とか、もっとほかにやるべきことがあるんじゃないかと思うが。
ちょっと空想好きとかメルヘンチックとかでは済まされないものを感じるシーンである。

そこへ、彼女を心配して現れた用務員の玉置浩二。
彼の真心に応え、ついに高橋かおりは
「用務員さん、私の王子様になってくれる?」
と告白、そのまま2人でワルツを踊るのであった。
小学生好きの人には夢の展開かもしれない。

なお、村上弘明の死体はほったらかしで踊っていると思われる。


しかし、そんな優しい玉置浩二には、隠されたもう一つの顔があった。
それは、小鳥を殺したり、高橋かおりのボーイフレンドをいじめたりする残酷な一面であった。
それまで必死に押さえつけてきた暗黒面に人格を乗っ取られてしまった玉置浩二は、高橋かおりをエジキにするべく、校舎を追い回すのであった……ってお前もか


このように変質者的な怖さが目立つこの映画だが、もちろんそればかりでなく、ちゃんとホラー的な怖さもフォローされているのでご安心を。
それはたとえば、廊下を上履きだけが歩いていったり、無人の教室でカバンから大量の水が溢れ出したりといった描写なのだが、それよりもっと恐ろしいのは、やはりというか玉置浩二である。

じぃーっ。
恋敵(小学生)にガンをとばす玉置浩二。


このように平時でも怖い彼が、もう一つの人格をあらわすとどんなことになるか。

第1段階。
「………」



第2段階。
「はーっ!」



第3段階。
「きしゃーっ!」



どうでしょう。
本当はこの後さらに、特殊メイクの入った恐ろしい顔になるのだが、そちらは玉置浩二だとわからないほど変貌しているので除外した。
こんなのに夜の校舎で追いかけられたら、一生消えないトラウマになると思う。


とんねるずの番組に出演して「サザエさん」を唄ったり、ソロでのヒット曲「田園」PVで奇抜な変装をしてみたりと、どうやら「変なことを喜んでやる人」であるらしい玉置浩二。
この「顔」は得がたいものだと思うので、恐怖系役者としても、第二の高英男を目指してぜひ活躍してほしい。




【2005.05.22 Sunday 14:57】 author : 猫パンチ | 映画 ハ行 | comments(10) | trackbacks(0) |
ビキニの悲鳴◇リアリズムの罠。
ビキニの悲鳴

ビキニの悲鳴
1965年/アメリカ/70分


原題1:The Beach Girls and the Monster
原題2:Monster From The Surf
別邦題:ビーチガールと怪物

監督:Jon Hall
原作・脚本:Joan Janis (as Joan Gardner)
脚本補:Don Marquis, Robert Silliphant (as Robert Siliphant)
プロデューサー:Edward Janis
音楽:Frank Sinatra Jr.
撮影:Jon Hall
編集:Radley Metzger (uncredited)
美術:Shirley Rose
特殊効果:Robert Hansard .... special effects (as Bob Hansard)

出演:
ジョン・ホール Jon Hall:オットー・リンゼイ博士 Dr. Otto Lindsay
スー・ケーシー Sue Casey:ヴィッキー・リンゼイ Vicky Lindsay
アーノルド・レッシング Arnold Lessing:リチャード・リンゼイ Richard Lindsay
エレーン・デュポット Elaine DuPont:ジェーン Jane
ウォーカー・エドミッソン Walker Edmiston:マーク Mark
リード・モーガン Read Morgan:マイケルズ保安官 Sheriff Michaels
キャロライン・ウィリアムスン Carolyn Williamson:スー Sue
グロリア・ニール Gloria Neil:バニー Bunny
トニー・ロバーツ Tony Roberts:ブラッド Brad
クライド・アドラー Clyde Adler:スコット副保安官 Deputy Scott
デイル・デイヴィス Dale Davis:トム Tom
キングスレイ・ザ・ライオン Kingsley the Lion:本人 Himself


'60年代あたりのアメリカ映画には「ビーチパーティーもの」というジャンルがあった。
内容はどれも全て
「恋だ!水着だ!サーフィンだ!!テケテケテケテケ♪」で言い表せてしまうような、浜辺で若い男女がイチャイチャしたりすったもんだしたりする映画たちである。
日本で言うと加山雄三の『若大将シリーズ』を安くしたみたいな感じか。

当時のあちらの若者たちは、そういう映画をドライブインシアター(広場のスクリーンに映画を映す青空映画。むろん夜にしか上映できない。客は自分たちの車を整列させ、乗ったまま映画を観る横着なシステム)で観て盛り上がっていたと思われる。

それだけ若者に受けがいいんなら、たまには別の要素をミックスしてみたらもっとウケるかも!
と製作者が考えたかどうかわからないが、本作はビーチパーティーものの土俵にモンスターを持ち込んだ、異種格闘技のような1本だ。


映画は軽快なサーフィン・ミュージックとともに幕を開ける。
タイトルバックの映像ももちろんサーフィン。波に乗る若者や波に乗る若者、そしてまた波に乗る若者などが次々と映し出され、早くも何の映画を観ているのかわからなくなってしまう。
ちなみに音楽はフランク・シナトラJr.(ナンシー・シナトラの弟)だ。

タイトル画面。


さて昼ひなかから浜辺でビーチ・パーティーに興じる、主人公リチャードら6人の男女。パーティーと言ったってサンドイッチを食べながらゴーゴーを踊るような他愛もないものだが、そうしてじゃれあううちに、追いかけっこなどはじめる1組のカップル。
「つかまえてごらんなさーい」
「まてーぇ」

そんな感じで。
追いかける男のほうは早々に脱落するのだが、女は調子に乗って、遠くの岩陰まで逃げていく。
そこは洞窟の入り口になっていて、身を隠した彼女は彼氏の様子をイタズラっぽく観察するのだった。

と、彼女の背後によろよろと迫る黒い影。
それは、『恐怖の洞窟』の怪物に昆布をまきつけたような風体の、ぬいぐるみ感丸出しの、謎の生き物であった(ジャケット写真参照)。
明らかに目立つ生き物が迫っているにもかかわらず、一向に気付かない彼女。
両手をかざし、亀のようにノロノロ迫る怪物!
そのまま背後30センチぐらいまで近づかれ、ようやく気付く彼女だったが、時すでに遅く、怪物につかみかかられてしまう。

さて、本作の登場人物たちの特徴として挙げられることに、「とにかく鈍い」ということがある。
この場合も、主人公たちと彼女の距離はせいぜい数十メートルぐらいのものだと思われるが、そんな近くで絶叫している彼女の声が届かないのだ。
リチャードたちがのんきにギターを弾いたりしているうちに、彼女は絞め殺されてしまう。
怪物は怪物で、彼女を殺害すると、再びよろよろと洞窟に戻っていくのであった。
何をしたかったのか。

やがて彼女の死体が見つかり、保安官マイケルズが駆けつけてくる。
遺体周辺を調べると、怪物のものと思われる謎の足跡が見つかるが、それは海へと消えていたのだった。


ガールフレンドが殺され、とぼとぼ家に戻るリチャードを待ち受けていたのは、父オットー博士のお小言であった。
海洋学の権威である博士は、息子リチャードが最近研究にも協力せずに浜辺でちゃらちゃらしているのが不満でならないのだ。
「立派な学者になってから、いくらでも遊べばいいじゃないか」
と諭す父と、
「青春はいまだけなんだから、いましかできないことを楽しみたいんだ」
と反論する息子。
進路を決めるような時期になると、たいがいのご家庭で見られるような風景であるが、この親子もごたぶんに漏れず物別れに終わる。

父に叱られたリチャードは気晴らしに、居候している友人マークを誘ってサーフィン・フィルムの上映会を行うことにした。
このマークというのは、以前リチャードの運転する車に乗っていて事故にあい、片足が不自由になってしまった男だ。責任を感じたリチャードが、彼の世話をするために家に住まわせているのだが、それでマークほったらかしてビーチパーティーなどやってたら、そりゃあ親父も小言をくれると思う。

それはともかく、ここで
「サーフィンは最高だぜ」
とか言いながらリチャードが上映する8ミリフィルム。
これがたっぷり5分間にわたり、音楽に乗せたサーフィン映像が流れるだけなのである。
しかもこれはどこかで観たと思ったら、タイトルバックの映像と同じフィルムだ。


そのころ父オットー博士のもとには、マイケルズ保安官が訪れていた。
浜辺で見つけた足跡を鑑定してもらうためだ。
石膏で固めた足型をしげしげ眺め、
「このへんの魚じゃないね」
と断定する博士。
このへんといわず、足跡があったらそれはふつう魚じゃないが。
「南米に住む、50kgもある肉食性の魚に似ているよ。それがもし、突然変異を起こせば……
なんでも突然変異で済むと思ったら大間違いだ。
と思ったら、保安官は冷静にも
「私は人間の仕業だと思います」
とズバリ指摘。
「おそらく変質者の仕業ですよ」

客観的に見て、保安官の意見のほうが明らかに常識をわきまえているが、こういう場合、たいがいのモンスター映画では博士側の意見が正解なのである。まして本作の場合、すでにモンスターの姿がバッチリ出ちゃってるし。
……と思っていたら、じつはこれが罠なのであった。
衝撃の真実は本文終盤にて。


その夜、性懲りもなく浜辺で歌や踊りに興じるリチャードや仲間たち。
昼間ガールフレンドが死んでるというのにお前らは。
あるものは泳ぎ、あるものは焚き木の番をし、あるものはイチャイチャし…とめいめい盛り上がっているところに、またも怪物が現れる。

怪物は焚き木の番をしていた男によろよろと近づき…ってこの男もやっぱりギリギリまで気付かないのである。
たちまち押し倒されて首を絞められる男。
「ヘーーールプ!」
あらん限りの声で叫ぶものの、すぐその辺で泳いだりしてる連中は、今回もやっぱりその声が聞こえないのであった。
真っ暗な中で、唯一の光源である焚き火のそばで怪物が大暴れしてるんだから、聞こえないにしても気付けよと思うが。
パーティーのやりすぎで色々おかしくなったのか。

しかし、ただ一人異変に気付いた男がいた。
遅れてビーチパーティー会場に向かっていたマークだ。
彼は松葉杖をつき、不自由な足を引きずって助けに走るが、そんな状態では速度も出ない。間に合わずに男は怪物に絞め殺されてしまう。

男を殺してまたよたよた怪物が立ち去ったあと、ようやく男のもとにたどり着くマーク。
男の遺体を抱え、
「助けてください!助けてください!」
と叫ぶと、ようやく気付いたリチャードたちがやってくるのであった。


やがて駆けつけた保安官に
「君が殺したんじゃないのか」
とあまりに無茶な嫌疑をかけられたマークは、その場にあった車を奪って逃走、そのままリチャードの家へと向かう。
家に着くや、さっそく家宅捜索を始めるマーク。
いくつかの部屋を調べた後キッチンへ向かい、おもむろに流しの下の扉を開けると、そこから転げだしてきたのは、なんと怪物の生首だった!








生首と見えたものは、ぬいぐるみの頭部だった。
なんと、怪物は本当にぬいぐるみだったのである。
しかし頭部だけがここにあるということは……?

次の瞬間、首から下だけ怪物のぬいぐるみを着た男がキッチンに飛び込んできた!

むきだしになったその顔は、なんとオットー博士その人であった。

とっさに包丁を握ったマークは博士を刺して傷を負わせるが、逆に自分もぬいぐるみの鋭い爪で刺されてしまう。
博士は(ぬいぐるみを着たまま)車で逃げ去り、入れ替わりにリチャードが戻ってくる。
リチャードに真相を伝えると、マークは息を引き取ったのだった。


保安官のパトカーに同乗し、逃げる父(ぬいぐるみ着用)を追うリチャード。
父は、息子をちゃらんぽらんな道に引き込んだビーチパーティー仲間を憎むあまり、怪物に化けて殺人を犯していたのであった。
「人間の仕業だと思いますよ」という保安官の推理は当たっていたわけである。

カーチェイスの末、ハンドルを誤ったオットー博士は、車とぬいぐるみもろとも崖下に転落してしまう。
爆発・炎上する車を捉えたカットで「THE END」。



やけにぬいぐるみ然としたモンスターが出て来たなと思ったら、
「本当に中に人が入っていました」
という、ミもフタもないというか、開いた口がふさがらないオチが用意されている本作。
確かに観客の意表は突くが、同時にものすごい「まぬけ」を背負ってしまう結果となった。

なにしろ海洋学の権威である博士が、モンスターのぬいぐるみを手作りして若者を殺してたわけである。
ちょっと『ゼブラーマン』みたいだ。
初出動のときドキドキしなかったろうか。

なお、そのオットー博士役は、ジョン・ホール監督本人。
ラスト、ぬいぐるみを着たまま車で爆走するシーンでは、衣装のまぬけぶりをものともせず、迫力溢れる素晴らしい表情を見せてくれた。




【2005.03.16 Wednesday 23:58】 author : 猫パンチ | 映画 ハ行 | comments(5) | trackbacks(2) |

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