社会の窓からこんにちわ

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【2015.04.27 Monday 】 author : スポンサードリンク | - | - | - |
28日後…◇第1回 ゴーストタウン映画祭 その2。


無人の廃墟と化した街にたった一人。

そんなシチュエーションにズキュンと胸をうたれる人のための、ゴーストタウン映画祭。
その2本目は、グっと時代が新しくなった2002年の作品だ。


28日後... 特別編
28日後... 特別編
<2002年/イギリス/114分>


原題:28 Days Later
配給:20世紀フォックス映画

スタッフ
監督: Danny Boyle ダニー・ボイル
製作: Andrew Macdonald アンドリュー・マクドナルド
脚本: Alex Garland アレックス・ガーランド
撮影: Anthony Dod Mantle アンソニー・ダット・マンテル
音楽: John Murphy ジョン・マーフィー
美術: Mark Tildesley マーク・ティルデスリー
編集: Chris Gill クリス・ギル
衣装(デザイン): Rachael Fleming ラファエル・フレミング
字幕: 松浦美奈 マツウラミナ

キャスト(役名)
Cillian Murphy キリアン・マーフィ (Jim)
Naomi Harris ナオミ・ハリス (Selena)
Megan Burns ミーガン・バーンズ (Hannah)
Brendan Gleeson ブレンダン・グリーソン (Frank)
Christopher Eccleston クリストファー・エクルストン (Major Henry West)
Leo Bill レオ・ビル (Private Jones)
Ricci Harnett リッチ・ハーネット (Corporal Mitchell)
Stuart McQuarrie スチュワート・マッカリー (Sergeant Farrell)
Noah Huntley ノア・ハントリー (Mark)


解説
死のウィルスにより廃墟になった世界での生き残りを描く恐怖映画。監督は「ザ・ビーチ」のダニー・ボイル。脚本は「ザ・ビーチ」の原作者だったアレックス・ガーランド。撮影は「ジュリアン」のアンソニー・ドッド・マントル。音楽は「容疑者」のジョン・マーフィ。美術は「24アワー・パーティ・ピープル」のマーク・ティルデスリー。衣裳は「ブリジット・ジョーンズの日記」のレイチェル・フレミング。出演は「ザ・トレンチ 塹壕」のキリアン・マーフィ、「えびボクサー」のナオミ・ハリス、「24アワー・パーティ・ピープル」のクリストファー・エクルストン、「がんばれ、リアム」のミーガン・バーンズ、「ギャング・オブ・ニューヨーク」のブレンダン・グリーソンほか。

ストーリー(Yahoo!ムービーより):
 怒りを抑制する薬を開発中のとある霊長類研究所。ある夜、精神を冒し即効性の怒りを発するウィルスに感染している実験用チンパンジーが、侵入した動物愛護活動家たちによって解放されてしまう。その直後、活動家の一人がチンパンジーに噛まれて豹変、仲間に襲い掛かる…。28日後。交通事故で昏睡状態に陥っていたバイク・メッセンジャーのジムは、ロンドン市内の病院の集中治療室で意識を取り戻す。ベッドから起き廊下をさまようジムだったが、院内にはまったく人の気配がなかった。人の影を求めて街へ飛び出したジムは、そこで驚くべき光景を目にする…。


前回紹介した『地球最後の男 オメガマン』の影響を色濃く受けたと思われる作品で、設定や物語運びなどに、いくつか共通する部分が見られる。とはいえリメイクではもちろんなく、オメガマンを知っていればより楽しめる、という感じだ。


発端はどこかの研究所。
そこの実験用の猿が感染していた「レイジ」(rage=激怒)という名のウイルスが広まってしまった。
ひとたびこのウイルスが体内に侵入すると、感染者は数秒のうちに発症。
それはいくらなんでも早すぎるだろうという声もあると思うが、映画的にはこのくらいダイナミックでも面白いといえる。

感染者たちは、普段はぐったりしているが、感染していない人間を見つけるや、怒り狂いながらものすごい勢いで追いかけてきて、その人間を全力でボッコボコにしてしまうのである。

荒れ狂う感染者。
「お前が嫌いなんだよ!」(本当にこう言ってる)



なんという恐ろしさであろうか。
しかも集団で来る
そのあまりの猛威に、ロンドンは28日間で廃墟になってしまっていた。

主人公ジムが交通事故から目覚めたのは、間の悪いことに、そんなときのことであった。
病院で目覚めた彼は、院内はおろか、街からも人が消えていることに戸惑いながらさまよい続ける。
戸惑っているわりに、破壊された自販機から缶ジュースが転がっているのを、ちゃっかりいただいたりしているが。

ロンドンひとりぼっち。
ぽつーん。


やがて感染者の巣窟に迷い込んでしまった彼は、当然のごとく追いかけられてピンチに陥ったところを、若い黒人女性セレナとその仲間に助けられる。
さらに、マンションの一室に立てこもって助けを待っていた、フランクとハンナの父娘と合流。
一行は、フランクが受信したラジオ放送を頼りに、軍が助けを用意しているというマンチェスターへと向かうのだった。


ところがそこにいた軍隊は、人類存続の名の下に、助けた女を共有しようとしていたからさあ大変。セレナとハンナを奪われ、ジムは放り出されてしまう。
それまでいいところのなかった、というよりむしろヘタレていたジムは、ここぞとばかりに大反逆に打って出る。
いきなりのキャラ変更に戸惑う観客を尻目に、軍を奇襲。
戦闘のプロを相手に目を見張る強さを発揮し、さらにモルモットとして囚われていた感染者を解き放って、基地を壊滅状態に陥れるのであった。

このへんちょっと『死霊のえじき』の匂い(バブ臭)を感じる展開ではある。
そのせいか、よくゾンビ映画であるかのように紹介されているが、そう思って観ると裏切られることになるので注意が必要だ。
前半は崩壊後の世界を旅するロードムービー、後半はボンクラへのサービス&ストレス解消と思って観るといいかもしれない。


さて、ゴーストタウン映画としての見どころは、まず序盤、ジムが無人のロンドン市内をさまよう場面だ。

ロンドン名物。
記念写真はこちらで。


横転した2階建てバスなど、素人目にもロンドンだとわかりやすい配慮がきいた、親切な廃墟だといえる。

しかしやはりいちばんグッとくるのは、フランクの運転するタクシーでマンチェスターまで旅する道中だろう。

「全ての棚があなたのものです!」
『ゾンビ』以来の人類の憧れ。


ボンクラの夢である、ゴーストタウン名物「ショッピングセンターで好きなものを好きなだけゲット」のコーナーもちゃんとあるし、イギリスならではののどかな田園風景も登場したりする。

実写『カリオストロの城』。
妖精ぐらいいてもおかしくない景色。



こういう風景を見ていると、やっぱり人類絶滅後に備えて車の運転ぐらいできないといかんかなと、切に思わされるのであった。
【2005.09.15 Thursday 21:02】 author : 猫パンチ | 映画 その他(数字・記号) | comments(2) | trackbacks(1) |
2889年◇水に溶けるおばけ。
合成ジャケット
2889年
1960年 アメリカ 80分ぐらい


別題「原子怪人の復讐」「人類滅亡の瞬間・衝撃!放射能異変」
原題:IN THE YEAR 2889
製作年:1960年(日本劇場未公開)
製作:アザレア・ピクチャーズ

■スタッフ■
監督・製作:ラリー・ブキャナン Larry Buchanan
製作補:エドウィン・トボロウスキー Edwin Tobolowsky
脚本:ハロルド・ホフマン Harold Hoffman
撮影:ロバート・C・ジェサップ Robert C. Jessup
特殊効果:ジャック・ベネット Jack Bennett

■キャスト■
ポール・ペーターゼン Paul Petersen
クイーン・オハラ Quinn O'Hara
カーラ・ドハティ Charla Doherty
ネイル・フレッチャー Neil Fletcher 他

出演者に「Hugh Feagin」という名前の人がいたが、なんて読むのかわかりません。発音しづらそう。


ジャケットは海外版DVDのものだが、これは本作「2889年」と「恐怖の洞窟」という作品をカップリングしたものだ。需要があるのか不安を禁じえない組み合わせだが、ラリー・ブキャナン監督作品集というくくりなので仕方がない。
どちらも顔はすごいが弱々しいモンスターが出現する作品で、「2889年」のモンスターは画面奥手の白髪のキャラクター。手前の緑色の生き物は「恐怖の洞窟」のおばけである。こちらもすごいので、次回紹介する予定。

ブキャナン監督は、火星人が地球人女性をナンパしに来る侵略SF「火星人大来襲」や、「金星怪人ゾンターの襲撃」などの作品で知られ……てはいないかもしれないが、ちょっとどうかと思う映画を残している人物だ。

基本的に、演出方法に変わったところのある監督である。
本作でも顕著だが、ブキャナン監督は昼夜を区別しない
カメラにフィルターかぶせたりして、昼間撮影したシーンを夜のシーンのように見せるという手法がある。実際の画面には力強い日差しによる影がバッチリ見てとれるので、効果のほどは疑問だけども。ブキャナン監督もこの手法をよく使うのだが、なぜかカットによっては明るいまま素材を使っていたりするので、真っ昼間なんだか真夜中なんだかよくわからないシーンが頻出する。

この混乱は「火星人大来襲」のラストシーンでも健在だ。
真っ昼間、登場人物が空を指差す。
夜空に浮かぶ円盤。
それを見て、日差しの中で呆然とする登場人物。
夜空に浮かぶ円盤。
昼と夜が交互に映し出されるので、観客は大いに狼狽することになる。
だったら夜に撮ればいいのに。


2889年」「火星人」「金星怪人」とも、映画をリメイクしたTVムービー。特徴的なのは、どのリメイク作品も原作とほとんど全く同じであるという点だ。よく言えば原作尊重派。
本作「2889年」でいうと、これはロジャー・コーマン監督の「原子怪獣と裸女」をリメイクしたTVムービーだそうである。原作との違いはモンスターの造形ぐらいで、ストーリーは同じ脚本を流用したんじゃないのかというぐらい同じ。


地球規模の核戦争により、人類が絶滅してしまった翌日。
森の奥の一軒家に、なぜかピンピンしている父娘がいた。
娘は婚約者ラリーが来るのを待っているが、いつまで待っても彼はやって来ない。
そのかわりに、青年スティーブ、激しく被爆したスティーブの兄、ストリッパーとその情夫、アル中の農夫が次々と逃げ込んできて、この7人による共同生活が始まる。

人類絶滅するほどの核戦争なのに、なぜ彼らが無事だったのか。
父の説明によると、
1)森の回りにそびえる山脈は鉛を含んでいて、それが放射能を中和した
2)森の中央にある湖は温泉で、その暖かい空気が上昇気流を起こして死の灰を押し戻している
つまり天然のシェルターだからだという。
冒頭のニュースで
何千発もの核ミサイルが落ち」
と言ってるのを考えると、山と湯気で何とかなるものじゃないと思うが、1960年にすでにゆで理論は存在したのだともいえる。


それはともかく、かつて、放射能に汚染された動物たちが凶暴な姿に突然変異したのを目撃したことのある父は、来るべき核戦争後の脅威に備えてこの場所に家を構え、食糧を備蓄していたのだ。

一方、致死量をはるかに超える放射能を浴びたはずのスティーブの兄は、死ぬどころかめきめき回復
生肉が食べたい
などと言い出し、夜な夜な森をうろついては動物を襲うようになる。
ここからゾンビのような展開になれば恐ろしいのだが、兄は人には食欲を感じないらしく、やや拍子抜け。

そのかわりに登場するのが謎の怪物である。
草木の陰から娘を覗き、森をうろつき、野ウサギを襲って食べ、娘を覗き……って、娘を覗く合間にうろうろしているばかりなわけだが。


アル中農夫は酔って醜態をさらしたあげく、怒った父に酒瓶を割られて
「もうだめだァー!」
オイオイ泣きながら、放射能がうずまく山の向こうに消える。
ストリッパーは情夫に殺され、兄は失踪、再登場するなり死亡
娘とスティーブはいい仲になり、父は放射能をたらふく浴びて寝込み、情夫は娘に横恋慕。

人間関係がいいかげんグダグダになったところで、例の煮え切らないモンスターが、ようやく娘の誘拐に成功するのだった。やればできる子です。
ジュテーム…


スティーブが追うが、鋼鉄の皮膚を持つ怪物には銃弾も役に立たない。
と、そこにポツポツが降り始める。
たちまち苦しみ始める怪物。

怪物の弱点は、放射能に汚染されていない水なのだった。 そう、いつの間にか世界の放射能は浄化されていたのだ。もうか。

早すぎるだろう。

雨水を浴び、あっけなく溶けていく怪物。

どうやらこの怪物の正体は、娘の婚約者ラリーだったらしいのだが、気にかけることもなく喜び合う娘とスティーブ。
ちょうどその頃、スティーブの命を狙おうとする情夫を父が射殺
若い2人が手を取って駆け出すところに
THE BEGINNING」(始まり)
の文字がかぶってエンド。

よく考えたらもう人類は若い2人と父しか残っていないわけで、始まるのかよという疑問も大いに残るが、このエンディングはちょっと洒落ているんじゃないだろうか。
と思ったら大間違いで、リメイク元の「原子怪獣と裸女」も全く同じ終わりかたなのだった。そこぐらい変えてはどうか。


ところで作中で描かれる風俗・服装などは、製作年(1960年)のものとほぼ同じ。べつに2886年というすごい未来でなくてもよかったといえる。


最後に、リメイク元の原子怪獣と本作のモンスターを並べておく。
おそろしさ的には本作のほうがすぐれていると思われるが、どちらも乱暴なデザインである。

三つ目の原子怪獣。    乱暴なデザイン。

左がちょっとかわいい原子怪獣
右がデロリンマンに似た「2889年」の怪物だ。

ちなみにデロリンマンというのはジョージ秋山の漫画。

デロリンマン。

こんな顔である。





【2004.10.22 Friday 01:34】 author : 猫パンチ | 映画 その他(数字・記号) | comments(4) | trackbacks(1) |

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