社会の窓からこんにちわ

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【2015.04.27 Monday 】 author : スポンサードリンク | - | - | - |
シベリア超特急◇せんそうはぜったいにいけない。
シベリア超特急 特別編集版〈豪華愛蔵仕様〉
シベリア超特急 特別編集版〈豪華愛蔵仕様〉
<1996年/日本/80分前後(ヴァージョンにより変動)>



スタッフ
監督: 水野晴郎 ミズノハルオ   製作: 水野晴郎 ミズノハルオ
プロデューサー: 安藤庄平 アンドウショウヘイ
西田和晃 ニシダ
原作: 水野晴郎 ミズノハルオ   脚本: 水野晴郎 ミズノハルオ
撮影: 安藤庄平 アンドウショウヘイ
歌: 藤吉じゅん フジヨシジュン
美術: 徳田博 トクダヒロシ    編集: 荒川鎮雄 アラカワ
衣装(デザイン): コシノ・ジュンコ 
録音: 塚本達朗 ツカモトタツロウ
スクリプター: 渋谷徳子 シブヤ 霜村裕 
字幕: 戸田奈津子 トダナツコ   英文ダイアローグ: 戸田奈津子 トダナツコ
助監督: 山田敏久 ヤマダトシヒサ   照明: 清水達巳 シミズタツミ


キャスト(役名)
水野晴郎 ミズノハルオ (山下奉文)
かたせ梨乃 カタセリノ (李蘭)
菊池孝典 キクチタカノリ (青山一等書記官)
西田和晃 ニシダ (佐伯大尉)
アガタ・モレシャン  (カノンバートル)
シェリー・スェニー  (グレタ・ペーターセン)
占野しげる  (車掌)
エリック・スコット・ピリウス  (ユンゲルス)
フランク・オコーナー  (ポロノスキー)
フィリップ・シルバースティン  (ゴールドストーン)
油井昌由樹  (ナレーター)

内容:(キネ旬DBより)
※ストーリーの結末まで記載されていますので、ご注意ください
1938年、モスクワから満州へ向けて走るシベリア鉄道には、山下奉文陸軍大将、佐伯大尉、青山一等書記官の3人の日本人、契丹人女性の李蘭、ウイグル人女性のカノンバートル、オランダ人女優のグレタ、ドイツ軍ナチ中佐のユンゲルス、ソ連軍大佐のポロノスキー、そしてポーランド人商人のゴールドストーンの9人の乗客が乗り合わせていた。この列車の中でポロノスキーが毒殺されるという事件が起き、李蘭とグレタが姿を消した。佐伯と青山は犯人探しに乗り出すが、今度はユンゲルスが殺害される。ふたりはゴールドストーンを疑うが、彼は山下暗殺を企むヒットラーが送りこんだ刺客であったことが判明する。ゴールドストーンを取り押さえたその時、李蘭が現れ、山下に銃を向けた。日本軍に祖国を追われた彼女は、スターリンによって山下を殺すために送りこまれたのだ。間一髪のところで、山下は青山に救われる。一連の殺人事件の真犯人はカノンバートルとグレタだったことが、山下の推理によって明らかになった。列車で知り合ったふたりは、それぞれの目的を果たすために交換殺人を行ったのだ。場面は一転して撮影を終えたセットの中。役者たちがそれぞれの労をねぎらっている。ところが、そこで李蘭役の女優が車掌役の男優に撃ち殺された。男優の祖父は大戦中に平和主義を唱えた人物で、女優はその人物を死に追いやった男の娘だったのだ。復讐を遂げた男優が自殺して、再び事件は解決したかに見えたが、実はそれも映画のうちであった。日本人俳優たちは打ち上げの席で、自分たちが抱える現実問題を話しながら、グラスを傾け合った。

と、このようにあらすじだけ読んでも内容はさっぱりわからないことと思う。後半はとくに。
だからといって実際に観てもやっぱりよくわからないので、ストーリーに関しては諦めてほしい。

このわかりにくさの理由はいろいろある。
登場人物が10人(上記の9人+車掌)もいるが、だれが誰だかよくわからないうちに1人死亡、さらに2人失踪したりする点。
その後も人物関係の整理ができないまま、占野しげるにナチスにユダヤ人にかたせ梨乃にと矢継ぎ早に人物が死亡していき、そのうち事件自体どうでもよくなってくる点。
セリフまわしが箇条書きを読み上げるかのようである点。
列車の屋根におけるぼんちゃんの殺陣、およびそのオチがドリフ大爆笑のようである点。
英語だから気付きにくいが、外国人俳優たちも相当大根である点。
水野晴郎が喋るたびに観客の魂が抜かれる点。

もっともこういったことは、こちらの「ちゃんと観よう」という心構えから来る失敗なので、「シベ超」を正しく楽しむためには、物語に流されるままに観ることである。

考えるな、感じるんだ。

ブルース・リーまで持ち出さなくてもいいわけだが。


改めて見ると、最後に展開される推理というか事実関係がずいぶんデタラメであることに気付く。以下、劇中での流れを書いてみよう。

水野晴郎は、最初の殺人についてこう推理する。
「ポロノフスキー殺害に使ったヒポタミリンという毒は特殊な毒なので、扱うときは特殊な装備をしないと必ず服についてしまう。その服は明らかな証拠になるので窓から捨てたと思われるが、列車のどこかに引っかかっているかもしれない」
余談だが、水野晴郎の割舌が悪いため、「ポロノフスキー」がしばしば「ポルノスキー」と聞こえる。
ともあれ、探してみると服はうまいこと引っかかっていた。
菊池孝典が決死の思いで回収してくると、それを手にした水野晴郎はこう叫ぶ。

「これがしょうこだ!」

その声に観念したアガタ・モレシャンらは自首してくるのだが、とってつけたような動機を自供中にハッと気付いて
だましたのね!私は毒薬を小瓶に移したのよ。服につくはずがない!
いや、服を捨てたのは自分たちだろう。
この段階でもうかなりおかしいのだが、追い討ちをかけるように水野晴郎の言葉が続く。

「だましたのではない。

 こころによびかけたのだ」


物は言いようである。

10人中5人が死んでいるというのに
「男たちが勝手に殺しあったことにしよう」
とぞんざい極まる大岡裁きを提案する水野晴郎。
そりゃぁないだろうと観客のヒットポイントがぐんぐん減っていく中、ぐいとカメラをにらみつけて締めの一言が放たれるのであった。

「せんそうは

 こんなひげきまでおこしてしまう。

 せんそうはぜったいに

 やめなければならん」



それがテーマなのはわかるがセリフで言わないでください監督。

気付いてみれば水野晴郎一行の3人と車掌以外、全員人殺しという結末なのだった。
呆然とする中、流れ始めたエンドロールでもやらかしてくれる。
「戻らないロマンス」唄:藤吉じゅん 作詞:水野晴郎 作曲:野々村道造 発売:コロムビアレコード(廃盤)
主題歌シングルでは曲名が「戻れないロマンス」に。


マンドリンの音色が印象的な主題歌「シベリア超特急」(作詞:水野晴郎)に乗せ、太平洋戦争の記録フィルムが流れるのだが、その画面左上に

「再生」

の文字が。
ビデオから素材を流用するなとは言わないが、その文字は消してください監督。

と、ここまで観てもまだ安心できないのが「シベ超」の恐るべき点である。
このころになると観客はすっかり忘れているが、冒頭でこのようなクレジットが出ていたのだ。
この映画は終りのクレジットが出たあとあることが二度起りますので、決してお友達に話さないでください。

その言葉どおり、エンディングが流れ終わると唐突に
「かーっと!」
と水野晴郎の声が。

一転、軽快な音楽とともに映し出されるのは、打ち上げに興じる撮影終了後のキャストたちだ。
人相の悪い外国人俳優たちもにこやかに談笑する中、華やかに現れたかたせ梨乃が突然ばったり倒れて死亡。
何者かに殺害されたのである。
撮影も終わったのに、誰がどうして」

そういう問題なのか。

うろたえるぼんちゃん達をよそに、水野晴郎は犯人をズバリ指摘。

「しゃしょうやくの ふくおかくん。
 きみのほんみょうは、ミヤマスってゆうんだねぇー」


この言い回しがおかしくて何度聞いても笑いをこらえられないが、そんなことより犯人は車掌役の福岡、本名ミヤマス役の占野しげるなのだった。ややこしい。

呆然となった他のキャスト(と観客)が見守る中、スポットライトに照らされて
「○○だったぁ!○○したぁ!○○だったぁ!」
と動機を箇条書きで叫んだのち、おもむろに服毒自殺してしまう占野。
駆け寄るぼんちゃん。
ヒポタミリンだ!」

なぜわかる。


そして暗転、再び始まる打ち上げ。
かたせ梨乃も占野しげるもにこやかにテーブルに着き……ってこの繰り返しが延々と続くんじゃあるまいかと恐怖を感じてしまうが。
観客にとってのサスペンスである。

打ち上げの席だというのに離婚、借金、嫁の家出といった生々しい問題をさらけ出す出演者一同。
そんな彼らに
「ま、ひとさまざまだよね」
とノンキな言葉を投げかける水野晴郎。
完全に人ごとである。

ともあれ乾杯する一同を映し、暗転。
「完」のクレジット。
しかし油断はできない……と思っていたら再び流れるマンドリンの音色。
またもやエンドロールである。

一応映像はNG集であるが、唄は同じ「シベリア超特急」だ。
憶えて帰れ、ということかもしれない。

ここで映画は本当に終わるのだが、画面が真っ暗になったあともまた
「かーっと!」
の声が聞こえてくるような、再び打ち上げが始まるような気がして落ち着かなかったのはぼくだけだろうか。


なお、「シベ超」シリーズは続々増殖を続け、現在7作目までの製作が伝えられている。
1作目のタイトル画面をあしらったトップページがすばらしいマイク水野のサイトにも紹介されているので、ぜひ一度見に行ってほしい。
トップページにあるぼんちゃんの似顔絵は全然似ていないが。


ところで青山一等書記官を演じた菊池孝典は、特撮ファンにとっても忘れられない役者だ。
賀集利樹や要 潤が主演した「仮面ライダーアギト」に、物語の謎を握る男・木野さんとして出演。
歴代最高齢ライダー(40代)

竜雷太が苦虫を噛み潰したような、ニコリともしない表情。40代にして仮面ライダーに変身、ライダーなのに悪役という意外性。
そのシベ超魂をもって、子供たちの心に「渋い」という概念を刻み込んだのであった。

【2004.10.02 Saturday 17:30】 author : 猫パンチ | 映画 サ行 | comments(10) | trackbacks(4) |
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【2015.04.27 Monday 17:30】 author : スポンサードリンク | - | - | - |
コメント
待ってました(笑 シベ超!!!
こっちもTB完了です。
いや〜さすが猫パンチさん!
この映画をここまでまとめあげるとは脱帽です。
【2004/10/02 7:01 PM】 バビゾ |
おぉ、素早い対応ありがとうございます!

いやお恥ずかしい(笑)
書き終えた今、まとまっていないというか、かえって散らかしている気もしていますが(笑)
ちょっと雑な部分もあるので、気になるとこはちょいちょい訂正していくことにしますー。
【2004/10/02 7:08 PM】 猫パンチ |
お世話になっています。
記事内リンクさせてもらいました。
これだけ書ける猫パンチさまは正直、マジに尊敬いたします。
私は・・・・・・もうだめです(苦笑)。
【2005/06/08 12:49 AM】 サンタパパ |
>サンタパパ様

TB&ご紹介ありがとうございます!
ついに観ましたか〜(笑)

このエントリーを書くために、映画を2回ほど観なおした記憶がよみがえってきました……ううぅ(笑)
ぼくは最後の「再生」で完全にやられましたな。
【2005/06/08 8:47 AM】 猫パンチ |
こちらこそ、どうもありがとうございました。
見たのはもうずいぶんと前でしたが、エントリーのために再度見るのにえらく難儀しました(^^;。ううぅ(笑)
ネットで時々、カルト映画とか紹介されていますが、カルトの意味がわかってないような(笑)。
【2005/06/09 7:48 AM】 サンタパパ |
>サンタパパ様

昔のRPGで「一歩進むごとに体力が減る毒の沼地」というのがありましたな。
沼地に踏み込む前に体力を満タンにしてから挑戦したりして。

『シベリア超特急』を観る、というのはそれに似てるなと思いました。
毒の沼地扱いするのはあんまりかもしれませんが、観るのにちょっと覚悟のいる映画ですな(笑)
【2005/06/09 8:40 AM】 猫パンチ |
はじめまして。
サンタパパさん経由でお邪魔しました。
「つっきーの徒然草」のつっきーです。

こちらのレビューを拝見して、大爆笑しました。「シベリア超特急」はもう観たことにしておきます。(笑)
私は「シベ超3」しか観てないんですが、このレビューを読んだだけで、鮮明に本編のすべてが頭に浮かびました。
とても感動的なレビューをありがとうございます。
【2005/06/09 5:30 PM】 つっきー |
>つっきー様

はじめまして!
わざわざ飛んできていただき、ありがとうございます〜。

「観たことに」って(笑)
いやぁ、やはり動いて喋ってる水野晴郎は破壊力が違いますので、壮大なサーガの原点に触れて、ぜひダメージを受けてみてはいかがでしょう(←そんな勧め方があるか)。

しかし「3」しか観ていないという方も珍しいのではないかと思いますな。そういうぼくも1作目しか観てませんけども(笑)
【2005/06/09 8:56 PM】 猫パンチ |
最近、よいこの情報局化しているサンタパパです。まあ、よいこかどうかは別にして。

【「シベリア超特急」が漫画化 水野晴郎さん超ごきげん】
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060123-00000009-sph-ent

24日に発売される「サスペリアミステリー」の3月特大号(秋田書店・税込み750円)に掲載される。以後、隔月発行の同誌で連載されることになった。水野さんは「人気になって単行本化になって、アニメ化になるといいね」と喜んでいる。

。「サスペリアミステリー」の渡辺副編集長が同映画の大ファンだったことから依頼したところ、水野さんも漫画化を快諾したという。

閣下独特の“棒読み”のニュアンスは誌面では伝わらないのが残念。“迷調子”が再現されないだけに、読者も想像力を膨らませる必要がありそうだ。

実物より美形に描かれているが「せっかくだから、もっと若く描いてもらったほうがいいな」とちょっと強引な注文をつけるなど欲深くもなっている。




・・・・・・だそうです(すみません。コメントする気力が(^^;)。
【2006/01/23 6:55 PM】 サンタパパ |
>サンタパパさま

いつも情報ありがとうございます。
今度は漫画化ですか……あのままでじゅうぶん漫画だ、ともいえますが。
もう閣下は『シベ超』関連の依頼は、どんなものでもまず断らないとみて間違いなさそうですね。

万が一本当にアニメ化したら、たぶんいろんなホコロビは修整されるんだろうし、(閣下が主役で声優をやったりしない限り)かえって普通の作品になっちゃうんじゃないかって気もしますな。
「ジャパニメーションを甘く見るな」とばかりに輸出してやるといいかもしれません(笑)
【2006/01/24 8:12 PM】 猫パンチ |
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深夜の日テレシベ超祭り・パート1
今月はシベ超イベント盛りだくさん!その先陣を切って、地上波(関東)では6年ぶりに「シベリア超特急」が昨夜放送されました! 深夜2:30、いよいよスタート、と思いきや、マイナーな芸人が出てきて今週の金曜ロードショー「火垂るの墓」の番宣と“野坂昭如伝説”の
【2005/08/04 12:30 AM】 KOJIのBlog、というBlog |
シベリア超特急。
ぎゃーーーーーーっ!!観ちゃったよ。今朝の3時頃かな?テレビを付けたら偶然やっていたもんで、気になって観ちゃったわよ。 『社会の窓からこんにちわ』でいかにシベリア超特急がある意味すばらしい映画であるか読んで知っていたけれど、実際に目にするとは…。
【2005/08/03 2:38 PM】 オセロプードルの日々ぶろぐ。 |
シベリア超特急
とうとうこの映画のエントリーを挙げる日がくるとは・・・・・・(大汗)。
【2005/06/08 12:47 AM】 かたすみの映画小屋 |
シベリア超特急
シベリア超特急 特別編集版1996年監督、製作、原作、脚本:水野晴郎出演:水野晴郎/かたせ梨乃/菊池孝典/アガタ・モレシャン/シェリー・スェニーストーリー:1938年、モスクワから満州へ向けて走るシベリア鉄道には、...
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