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【2015.04.27 Monday 】 author : スポンサードリンク | - | - | - |
2889年◇水に溶けるおばけ。
合成ジャケット
2889年
1960年 アメリカ 80分ぐらい


別題「原子怪人の復讐」「人類滅亡の瞬間・衝撃!放射能異変」
原題:IN THE YEAR 2889
製作年:1960年(日本劇場未公開)
製作:アザレア・ピクチャーズ

■スタッフ■
監督・製作:ラリー・ブキャナン Larry Buchanan
製作補:エドウィン・トボロウスキー Edwin Tobolowsky
脚本:ハロルド・ホフマン Harold Hoffman
撮影:ロバート・C・ジェサップ Robert C. Jessup
特殊効果:ジャック・ベネット Jack Bennett

■キャスト■
ポール・ペーターゼン Paul Petersen
クイーン・オハラ Quinn O'Hara
カーラ・ドハティ Charla Doherty
ネイル・フレッチャー Neil Fletcher 他

出演者に「Hugh Feagin」という名前の人がいたが、なんて読むのかわかりません。発音しづらそう。


ジャケットは海外版DVDのものだが、これは本作「2889年」と「恐怖の洞窟」という作品をカップリングしたものだ。需要があるのか不安を禁じえない組み合わせだが、ラリー・ブキャナン監督作品集というくくりなので仕方がない。
どちらも顔はすごいが弱々しいモンスターが出現する作品で、「2889年」のモンスターは画面奥手の白髪のキャラクター。手前の緑色の生き物は「恐怖の洞窟」のおばけである。こちらもすごいので、次回紹介する予定。

ブキャナン監督は、火星人が地球人女性をナンパしに来る侵略SF「火星人大来襲」や、「金星怪人ゾンターの襲撃」などの作品で知られ……てはいないかもしれないが、ちょっとどうかと思う映画を残している人物だ。

基本的に、演出方法に変わったところのある監督である。
本作でも顕著だが、ブキャナン監督は昼夜を区別しない
カメラにフィルターかぶせたりして、昼間撮影したシーンを夜のシーンのように見せるという手法がある。実際の画面には力強い日差しによる影がバッチリ見てとれるので、効果のほどは疑問だけども。ブキャナン監督もこの手法をよく使うのだが、なぜかカットによっては明るいまま素材を使っていたりするので、真っ昼間なんだか真夜中なんだかよくわからないシーンが頻出する。

この混乱は「火星人大来襲」のラストシーンでも健在だ。
真っ昼間、登場人物が空を指差す。
夜空に浮かぶ円盤。
それを見て、日差しの中で呆然とする登場人物。
夜空に浮かぶ円盤。
昼と夜が交互に映し出されるので、観客は大いに狼狽することになる。
だったら夜に撮ればいいのに。


2889年」「火星人」「金星怪人」とも、映画をリメイクしたTVムービー。特徴的なのは、どのリメイク作品も原作とほとんど全く同じであるという点だ。よく言えば原作尊重派。
本作「2889年」でいうと、これはロジャー・コーマン監督の「原子怪獣と裸女」をリメイクしたTVムービーだそうである。原作との違いはモンスターの造形ぐらいで、ストーリーは同じ脚本を流用したんじゃないのかというぐらい同じ。


地球規模の核戦争により、人類が絶滅してしまった翌日。
森の奥の一軒家に、なぜかピンピンしている父娘がいた。
娘は婚約者ラリーが来るのを待っているが、いつまで待っても彼はやって来ない。
そのかわりに、青年スティーブ、激しく被爆したスティーブの兄、ストリッパーとその情夫、アル中の農夫が次々と逃げ込んできて、この7人による共同生活が始まる。

人類絶滅するほどの核戦争なのに、なぜ彼らが無事だったのか。
父の説明によると、
1)森の回りにそびえる山脈は鉛を含んでいて、それが放射能を中和した
2)森の中央にある湖は温泉で、その暖かい空気が上昇気流を起こして死の灰を押し戻している
つまり天然のシェルターだからだという。
冒頭のニュースで
何千発もの核ミサイルが落ち」
と言ってるのを考えると、山と湯気で何とかなるものじゃないと思うが、1960年にすでにゆで理論は存在したのだともいえる。


それはともかく、かつて、放射能に汚染された動物たちが凶暴な姿に突然変異したのを目撃したことのある父は、来るべき核戦争後の脅威に備えてこの場所に家を構え、食糧を備蓄していたのだ。

一方、致死量をはるかに超える放射能を浴びたはずのスティーブの兄は、死ぬどころかめきめき回復
生肉が食べたい
などと言い出し、夜な夜な森をうろついては動物を襲うようになる。
ここからゾンビのような展開になれば恐ろしいのだが、兄は人には食欲を感じないらしく、やや拍子抜け。

そのかわりに登場するのが謎の怪物である。
草木の陰から娘を覗き、森をうろつき、野ウサギを襲って食べ、娘を覗き……って、娘を覗く合間にうろうろしているばかりなわけだが。


アル中農夫は酔って醜態をさらしたあげく、怒った父に酒瓶を割られて
「もうだめだァー!」
オイオイ泣きながら、放射能がうずまく山の向こうに消える。
ストリッパーは情夫に殺され、兄は失踪、再登場するなり死亡
娘とスティーブはいい仲になり、父は放射能をたらふく浴びて寝込み、情夫は娘に横恋慕。

人間関係がいいかげんグダグダになったところで、例の煮え切らないモンスターが、ようやく娘の誘拐に成功するのだった。やればできる子です。
ジュテーム…


スティーブが追うが、鋼鉄の皮膚を持つ怪物には銃弾も役に立たない。
と、そこにポツポツが降り始める。
たちまち苦しみ始める怪物。

怪物の弱点は、放射能に汚染されていない水なのだった。 そう、いつの間にか世界の放射能は浄化されていたのだ。もうか。

早すぎるだろう。

雨水を浴び、あっけなく溶けていく怪物。

どうやらこの怪物の正体は、娘の婚約者ラリーだったらしいのだが、気にかけることもなく喜び合う娘とスティーブ。
ちょうどその頃、スティーブの命を狙おうとする情夫を父が射殺
若い2人が手を取って駆け出すところに
THE BEGINNING」(始まり)
の文字がかぶってエンド。

よく考えたらもう人類は若い2人と父しか残っていないわけで、始まるのかよという疑問も大いに残るが、このエンディングはちょっと洒落ているんじゃないだろうか。
と思ったら大間違いで、リメイク元の「原子怪獣と裸女」も全く同じ終わりかたなのだった。そこぐらい変えてはどうか。


ところで作中で描かれる風俗・服装などは、製作年(1960年)のものとほぼ同じ。べつに2886年というすごい未来でなくてもよかったといえる。


最後に、リメイク元の原子怪獣と本作のモンスターを並べておく。
おそろしさ的には本作のほうがすぐれていると思われるが、どちらも乱暴なデザインである。

三つ目の原子怪獣。    乱暴なデザイン。

左がちょっとかわいい原子怪獣
右がデロリンマンに似た「2889年」の怪物だ。

ちなみにデロリンマンというのはジョージ秋山の漫画。

デロリンマン。

こんな顔である。





【2004.10.22 Friday 01:34】 author : 猫パンチ | 映画 その他(数字・記号) | comments(4) | trackbacks(1) |
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【2015.04.27 Monday 01:34】 author : スポンサードリンク | - | - | - |
コメント
昔はSF映画製作者にはいい時代でした。
困った時の「突然変異」でとりあえず放射能のせいにしておけば、
理屈がつきましたからねえ。
江戸っ子はそうじゃねぇといけねぇ。
まったく世知辛い世の中になったもんです(笑)
【2004/10/22 11:29 PM】 サンタパパ |
>サンタパパ様

数年前は遺伝子操作の結果で突然変異というのが流行ってましたね(笑)
観ているほうも、理由はともかくモンスターが出れば幸せなので、製作者がそんなにこだわらなくても構わないんですけどねー。

この作品でも
「放射能にはまだわからないことが多い」
とか言ってましたが、これくらいの器の大きさは持ちたいものです(笑)
【2004/10/23 12:40 AM】 猫パンチ |
怪物にお姫様抱っこされている女の子は
気絶しているのですか。
【2009/01/01 2:13 PM】 |
◆名無しさま

はい。さらわれた当初はキャーキャー悲鳴をあげてましたが、途中で気絶してしまっているようですよ。

【2009/01/11 12:06 AM】 猫パンチ |
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魂のふるさとデロリンマンの物語です。 ギャグ漫画の体裁をとっていますが、なかな
【2006/01/04 9:16 PM】 オヤジマンガ図鑑 |

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