恐怖の洞窟
1968年 80分 アメリカ
原題:
IT'S ALIVE!
別邦題:
甦った人喰獣(TV・旧)
監督: ラリー・ブキャナン Larry Buchanan
製作: ラリー・ブキャナン Larry Buchanan
脚本: ラリー・ブキャナン Larry Buchanan
撮影: ロバート・B・オルコット Robert B. Alcott
出演:
トミー・カーク(ウェイン・トーマス) Tommy Kirk
シャーリー・ボンヌ(レイラ・スターンズ) Shirley Bonne
ビル・サーマン(オヤジ) Bill Thurman
アナベル・ウィーニック(ベラ) Annabelle Weenick
コーヴェス・オウスターハウス(ノーマン・スターンズ) Corveth Ousterhouse
ラリー・ブキャナン(ナレーター) Larry Buchanan
『2889年』のときにも紹介した上記ジャケットで、向かって左側で
イヤミのような顔をしている緑色のモンスターが登場する作品。それが本作『恐怖の洞窟』である。
イヤミ。
原題『IT'S ALIVE!』というのは『悪魔の赤ちゃん』の原題と同じだが、内容は全く違うため、混同されることはまずないので安心だ。
アメリカの片田舎に住むオヤジが、迷い込んできた旅人をつぎつぎ
怪物のエサにするという、プロットだけ聞けば立派なホラーだ。
プロットだけ聞けば、と
わざわざ書くということは……
わかるね。
自動車での旅行中、そのオヤジの家に迷い込んできてしまった、ノーマンとレイラの夫妻。
途中で作業中の親切な古生物学者ウェインに道を教えてもらうが、ノーマンのほうは礼も言わない横柄ぶりを発揮。ガソリンを求めてオヤジの家に着いてからも
「燃料はないのか」「配達を急がせろ」とわがまま放題で、観客の反感を買う役を一手に引き受ける。
そのオヤジ、ガソリンの配達が来るまで自慢のコレクションでも見ていってくれ、と夫妻を裏庭に案内する。
そこには木箱に金網を貼った
手作りのオリが5〜6個並んでいて、中にはヘビだの猿だのが飼われていた。
「新しい道路が出来たせいで、最近は観光客が来てくれん」
とオヤジは嘆くが、これ
観光なのか。
道路のせいばかりではないと思う。
「さらに取っておきのコレクションがあるんだ」
と、オヤジは夫妻を家のそばにある洞窟の奥深く案内する。
そして、ちょっと油断したスキに天井から
鉄格子が降りてきて、夫妻はオヤジに閉じ込められてしまう。
高笑いとともに去るオヤジ。
洞窟のその部屋には、夫妻を心配してやってきた古生物学者ウェインもすでに入れられていた。まったく協調性のない夫は不安な状況に暴走、洞窟の地下に降りていく。
地下にはブクブクと泡立つ池があり、そこから突如、
赤塚不二夫がデザインしたようなモンスターがザバーッと登場。
「シェーーーッ!」
悲鳴を上げるノーマンにじりじり近付き、彼をひと呑みで食べてしまう。
人間大にしか見えないので「ひと呑み」というのは意外だが、どうやら巨大な生き物という設定らしい。
巨大に見えないもっとも大きな理由は、モンスターと人間が同じ画面に登場しないという点だ。合成がめんどくさかったのかもしれないが、ブキャナン監督は時々、そういう手抜きを堂々とやる。
同一画面上に人間と怪物が登場するのは、かろうじて1シーンのみである。
その貴重なカットをどうぞ。
わかりにくいかもしれないが、画面右半分にある緑色の岩のようなものが怪物の横顔である。
いくらなんでも
でかすぎやしないか。
ノーマンを食べ終わると、怪物は再び池に消える。
あの怪物は
マサソラスという太古の水棲トカゲだと言い張る古生物学者ウェイン。
人間のプロポーションだったが。
さて、オヤジの家には1人の老女がいた。
常にオヤジに対して過剰なまでにおびえる彼女ベラは、オヤジから下女のような扱いを受けながら、その行いには反対していたのだった。
親父の命令で、洞窟の2人に食事や包帯を届けたりと世話を焼く彼女。
ノーマンが食われ、がぜん
いい雰囲気になったウェインとレイラは、そんなベラを説得して、脱出の手助けをしてくれるように協力を頼むのだった。
しかしその計画というのは、ベラにダイナマイトを調達してもらい、それで鉄格子を吹っ飛ばすというもの。
が、ベラはオヤジとは別の道を通って洞窟内に来ており、毎回
鉄格子の内側に現れているのだ。
ダイナマイトなど使わなくても、ベラが出入りしている入り口から一緒に逃げればいいのでは。
そんな観客の思惑をよそに、突如身の上話を語り始めるベラ。
教師だった彼女は2年前、やはり道に迷ってオヤジに捕えられてしまったのだという。
ここから始まるベラの回想は、80分の映画の中で
堂々20分のウェイトを占めているわりには、大して重要な場面でもない。
時々思い出したように挿入されるベラのナレーションと、盛り上げているのか盛り下げているのか微妙な劇伴音楽以外は
一切無音で進行するこの回想シーン。
そんなのが20分も続くのだから当たり前だが、このくだりが本作中もっとも
催眠電波が放射されるシーンであり、ちょっと疲れの溜まっているときに観ようものなら
たちまち眠ってしまうので注意が必要だ。
しかしそれを乗り越えて鑑賞すれば、ある意味いちばん面白いシーンでもあるから、もし観る機会があったら頑張ってほしい。
案内された部屋でベラは眠りに落ちるが、夜中にふと目を覚ます。
外に出ようとドアに手をかけるが、どうやっても開かない!
わなわなとふるえながらカーテンを開くと、そこには鉄格子が!
オーバーアクションで嘆くベラ。
こうして彼女はまんまと監禁されてしまい、そこからオヤジの
執拗で異常な嫌がらせが幕を開けるのだ。
まず3日間食事を与えず、ベラを衰弱させる。
そこへ差し入れられる一皿の食事。
喜んで皿を覆っていた布を取ると、現れたのは
調理されたネズミであった。
オーバーアクションで嘆くベラ。
またある夜は、疲れ果てて眠ったベラに、ものすごい形相でそっと近付くオヤジ。
枕元に顔を寄せ、手にした
笛を思い切り吹き鳴らす!
驚いて飛び起きるベラ!
ガッツポーズを決めながら逃げ去るオヤジ!
オーバーアクションで嘆くベラ。
このような数々の
恐ろしい所業に耐えかねて、ベラはついに脱走を決意する。
ある晩、例によって忍び寄ってきたオヤジの顔面に液体(たぶん過酸化水素水)を浴びせ、そのスキに脱出するが、すぐに立ち直ったオヤジは追いかけてくる。
逃げるベラ!
追いかけるオヤジ!
なぜかこのへん
スローモーションになったりして、へんな
恋愛映画のようである。
このあたりから観はじめた人は
何の映画かわからないと思う。
結局彼女は追い詰められて、オヤジの手にしたベルトでビッシビッシと打ちのめされてしまう。
そこにかぶさるベラのモノローグ。
「激痛が走ったとき、私は生きる気力を失い、あの男が飼ってる動物の一匹になってしまったの…」
それは
単にSMプレイなのでは。
こうして長い回想が終わると、ベラはビクビクおびえながらもダイナマイトを調達。食事を差し入れるのに紛れて2人のもとに運ぼうとする。
が、オヤジも2人を怪物のエサにしようと、差し入れのコーヒーに
眠り薬を仕込んでいたのだった。
オヤジはまんまと眠らされた2人のもとに赴き、レイラだけを抱えて地下へと降りていく。
迫る怪物の前で、俺のものになれば助けてやるとレイラに迫るオヤジ。
にじり寄るマサソラス
しかしそこに、ベラの助けで目を覚ましたウェインが到着。
ウェインとレイラは脱出し、ベラはオヤジに射殺されてしまう。
一方オヤジは、今度は自分のほうに寄ってきたマサソラスに対して
必死の説得を試みる。
「おい、やめろ!わしがわからんか!
友達だろう!うわーーーっ」
食べられてしまうわけだが。
そのとき、ベラの持っていたダイナマイトが爆発。洞窟は怪物もろとも地の底に崩れ落ちていくのだった。
そして衝撃のラストカット。
はてなマークとか付けられても困るが。
ちなみに本作でベラを恐怖のどん底に突き落とすオヤジを演じたビル・サーマンは、
『2889年』で
酒瓶を割られてオイオイ泣いていた呑んだくれ農夫と同一人物である。
ところでネット検索していたら、日本にも恐怖の洞窟があるという。
入り口はこんなだ。
自分で「恐怖の」と名乗るあたり好感が持てる。
で、洞窟に入ると、こういうおばけがいるらしい。
映画のイヤミモンスターよりよっぽど恐ろしいといえる。
場所は群馬県。
実際に突入してきた人の報告サイトは
こちら。
グッときます。
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