社会の窓からこんにちわ

長文のエントリーが多いので、休み休み読んでいただくのがいいかと思います。
トラックバックやリンクはご自由にどうぞ。
<< ウルトラ6兄弟VS怪獣軍団◇血に飢えた白い猿。 | main | 感染◇一見さん限定。 >>
スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています

【2015.04.27 Monday 】 author : スポンサードリンク | - | - | - |
ショーン・オブ・ザ・デッド◇隠し味は口に苦し。
ショーン・オブ・ザ・デッド
ショーン・オブ・ザ・デッド
2004年/イギリス/100分


監督 エドガー・ライト
製作総指揮 ティム・ビーヴァン 、エリック・フェルナー 、アリソン・オーウェン 、ナターシャ・ワートン 、ジェームズ・ウィルソン[製作]
脚本 サイモン・ペッグ 、エドガー・ライト
音楽 ダン・マッドフォード 、ピート・ウッドヘッド

出演 サイモン・ペッグ 、ケイト・アシュフィールド 、ニック・フロスト 、ディラン・モーラン 、ルーシー・デイヴィス

ストーリー(Yahoo!ムービーより):
ロンドンに暮らすショーンは、いい歳して人生の目標や目的を持たぬまま、仲間たちとパブに入り浸るばかりの冴えない毎日を送っていた。そんな彼に長年の恋人リズもついに愛想を尽かしてしまう。このままではいけないと自覚したショーンは、リズとヨリを戻すため、これまでのだらしない生活を改めようと決意する。ところが、ショーンが恋人のことで頭がいっぱいになっている間に、街にはゾンビが溢れ、生きた人間を次々と襲っていたのだった…。


実年齢30そこそこなのに、40代くらいに見える主人公・ショーン。
友達と言えば、働きもせずにいつも家でゴロゴロとゲームばかりしているエドぐらい。
彼女はいるものの、いつも行く場所は場末のバー「ウィンチェスター」ばかりで、ろくにちゃんとしたデートもしないため、ついに三くだり半を突きつけられてしまう。
自堕落な日常を送り、職場では10も年下の後輩に馬鹿にされ、義父とは反りが合わず……と、人生まったく八方ふさがりなショーン。

何とかしなきゃいかんと思いつつ、でもそれは明日からやろうと、ついつい先送りにしてしまう日々。
ぼくも含めて、ボンクラとかロクデナシとかニートとかダメ人間とか呼ばれる層に属する男なら、身につまされること間違いない主人公の境遇である。


これは、そんな彼が迎えた、人生一発逆転チャンスの物語だ。


本作は、よく「ホラーコメディ」といった紹介の仕方をされることでわかるように、たしかに笑いを誘う場面は多い。
が、物語の根幹は、そのへんのスプラッタに較べて実にまっとうなものだ。
愛する人との別れ、極限状況での人間ドラマなど、押さえるところはしっかり押さえて、しかも笑いも取っている。
好きな人が作ったんだなぁと、観ていてしみじみ思わされた。


いつの間にか町の人々が歩く死人と化していき、そこらじゅうをうろつき始める。あちこちで悲鳴やら血しぶきやら上がっているのだが、周りに無関心なショーンやエドは、はじめまったくその異変に気付かない。
死人にまとわりつかれても「うるさいな」と押しのけて、平気で町を歩いたりしている。
自宅の庭に連中が侵入して、ようやく世界の異常に気がつく2人。
ここからいよいよショーンの人生逆転のシナリオが動き始める。
この危機を乗り越えるため、ショーンとエドの立てた計画はこう。

庭の連中を撃退し、母親を救いだし、(もと)彼女を連れて、バー「ウィンチェスター」で一杯やりながら騒ぎが収まるのを待つ。

完璧な計画だ。
ただし、いかにもボンクラが考えそうな
彼女とよりを戻すため、死に物狂いでミッションをこなしていくショーン。
もともとがダメ人間だし、エドはまったく緊張感がないしで、必ずしも思い描いた白馬の騎士のようではないけれど、間の抜けた姿をさらしながら、しかしショーンは窮地を全力で潜り抜けていく。

ネタバレになるので詳しくは書かないけども、義父や母、友人との最期のやり取りを経て、いつしかショーンは頼もしい男に変わっていた……。


と、キレイに締められればいいのだが、そんなに素直じゃないのはさすがイギリス映画といえる。
ここまで見てきた視点では、笑いと感動の人間ドラマに思える本作。
そういうぼくも途中までは
「これはダメ人間のための映画だ!」
と思って観ていたわけだが、エンディングを観て考えが変わった。


ここからはぼくの妄想に近い深読みなので、「そうとも取れる」ぐらいに考えながら読んでいただきたい。

映画を観た人は思い出してほしいが、この物語の最後、ショーンの手に残ったものと、ショーンから失われたものはなんだったろう。
残ったものは、自堕落な自分のままで受け入れてくれるガールフレンドと、トラブルを起こすことのなくなった友人。
失ったものは、折り合いの悪い親と、彼女をそそのかして自分と別れさせようとする連中。

頼もしく成長するかと思われたショーンは、邪魔者も消え、結局いちばん居心地のいい環境を手に入れて、ますます自堕落に磨きがかかっただけなのだ。
このエンディングはハッピーエンドなのか、そうではないのか。
少なくとも、ショーン自身にとっては(ということは、ショーンに感情移入していた観客にとっても)、これ以上ないハッピーエンドなのだが。


そう考えると、要所要所で必ずショーンに都合よく展開していくストーリーも、「この映画もしかしたら全部ショーンの妄想なのかもしらん」とも思えてくる。
製作者が「映画だから」と割り切ってそういうストーリー展開にしたのか、もしくはもっと意地悪な視点が隠されているのか、それとも製作者自身がショーンみたいな人なのか。


我ながら深読みが過ぎる気がしなくもないが、単にホラーコメディで片付けるには、あまりにしっかりと作られた映画だったので、ちょっと妄想してみた。
とはいえ、気軽に観てもじゅうぶん面白い映画なので、残酷描写(終盤にショックシーンあり)に抵抗のない人はぜひ観てみてほしい。

お気に入りは、庭に侵入した連中にレコード投げて応戦するシーン。
捨てたり売ったりするにはしのびないが、ああいう場面でなら思い切って投げたいレコードというのは確かにある。
ぼくなら『ラ・ブーム2』のサントラLPとかを投げると思う。


なおこのエントリーに関しては、本編中でくどいほど
「ゾのつく単語は使うな!」
と叫ばれていたので、その単語は避けて書いてみた。


<追記@2006年1月18日>
本作の監督エドガー・ライトとショーン役のサイモン・ペッグが、そろって『ランド・オブ・ザ・デッド』にエキストラ出演を果たしたらしい。本家ロメロ監督の映画に出演できて本望だと思われるが、その役柄はゾのつく単語なのであった。




【2005.03.26 Saturday 22:23】 author : 猫パンチ | 映画 サ行 | comments(10) | trackbacks(11) |
スポンサーサイト
【2015.04.27 Monday 22:23】 author : スポンサードリンク | - | - | - |
コメント
TBさせてもらいましたー。
うーん、猫さんの最後の読み、とっても当たってるような気がするんだけど。
ああ〜っ!「ゾのつく単語は使うな!」忘れて使っちゃった(笑
【2005/03/27 2:50 PM】 バビゾ |
>バビゾ様

TBどうもでした!

これ、オチの構造がわざとなのかそうじゃないのかで見方も変わってくるんじゃないかと思いますな。
ぼくはわざとだと思ったわけですが。
深読みしようとすると、登場人物の退場の仕方までも意味を持たせてあるように見えて、収拾つかなくなりそうで困りました(笑)
【2005/03/27 9:53 PM】 猫パンチ |
これ見てないけど、もう見た気になったのでレンタルやめます(笑
話かわるけど猫さんに質問。
オススメ超こわいホラーある?
最近身の毛もよだつホラー見てないんだよね・・・
血にうえてるの!なんか紹介して!
【2005/03/30 9:58 AM】 めけ。 |
>めけ。様

いや、実際に観ても面白いですよ!(笑)

そして超こわいホラー映画ですか…日本のものだと、たしか「学校の怪談」シリーズじゃなかったかと思いますが、オムニバスで3〜4話ぐらい入ってるやつがよかったですよ。血は出ませんが。
「アザミの呪い」とかいう話が入っているものですな。同じビデオに収録されてる別の話では、藤井隆も出てました。

血が出るやつでは、ドイツ映画の「HAUTE TENSION」(原題)というのがけっこうドバドバやってました。殺人鬼ものです。
これ日本版のソフトが出てないかもしれないので、よかったらDVD焼きますよー。

他にもいいのがあるか探しときますね。
それまでこちら(↓)でお楽しみください(笑)

2ちゃんねる「死ぬ程洒落にならない話を集めてみない?」まとめサイト
http://kowai.sub.jp/
【2005/03/30 1:49 PM】 猫パンチ |
こんにちは。
私は最後まで変わらないショーンっていうのが好きでした。
例えばサバイバル物って、登場人物の本性が見えたり
成長したりする事がおもしろさだったりするんですけど
逆に何も変わらない彼っていうのがミソなのかも?!
なんて思いましたよ。
【2005/04/01 10:58 AM】 だにい |
>だにい様

TBどうもでした!こちらからも送っておきました〜。

>>登場人物の本性が見えたり成長したり
『cube』とかそうでしたね。

ショーンが全く変わらないことに関しては、そこが面白さだし、いいと思うんですよ。
最終的なショーンの環境に関してだけ、製作者の視点が気になったので妄想してみた次第です。

ただスタッフリストを見ると、ショーン役の人が脚本書いてるみたいだし、彼の無意識の願望なのかも、という見方も捨て切れませんな(笑)
【2005/04/01 3:39 PM】 猫パンチ |
日本物ダメ。だってほんとにこわいもん(笑
ということでHAUTE TENSIONがイイ!
ちょっとぐぐってみたけど、
私の好きそうな強烈スプラッタみたいやし。
一応レンタル屋当たってみます。
もしなかったらお暇なときにでもよろしゅうお願いいたします。
(休みで暇なんでまた死霊のはらわた2回もみちゃったよ。とほ。)
【2005/04/05 10:21 AM】 めけ。 |
>めけ。様

うははは、『死霊のはらわた』2回も!
見慣れると最後の人形アニメのシーンがちょっとかわいかったりしますね(笑)
「HAUTE TENSION」は、殺人シーンの長さ自体はそれほど多くないですが、殺し方がえげつない&容赦ないので、観てると「あ痛たたたた」の連続です。『ブレインデッド』大丈夫なめけ。さんならお気に召すかと。
うちでもそのうちレビューしますね。
【2005/04/05 11:46 PM】 猫パンチ |
あぁぁぁ
そういうことだったのかぁ〜((´∀`*))ヶラヶラ

確かに、ショーンは 何も失ってないかもw
それどころか 彼女とも寄りが戻って、
ヽ(‘ ∇‘ )ノ 万々歳かw

それにしても、ハリウッドはもう マニュアル化して、面白くない映画を作るようになり、
そのほかの国が 勢力をもたげてきているのなんか なかなか面白いですよ((b´∀`))ネ
【2006/01/25 1:59 AM】 ぐぼ子 |
>ぐぼ子さま

いやいや、この見解はぼくの妄想ですから(笑)
いずれにしても、コメディだからありえた終わり方ですよね。

ハリウッドに限らず、当たり障りのないようにというか、いろんなとこに気配りしてきれいにまとめようと作った作品は、ハナから迫力が足らんと思います。
「作り方」としては洗練なのかもしれませんが、「表現」としてはそりゃ堕落なんじゃないかなと。
【2006/01/25 6:01 PM】 猫パンチ |
コメントする





 


この記事のトラックバックURL
http://cat-punch.jugem.jp/trackback/81
トラックバック
「ショーン・オブ・ザ・デッド」(2004年、イ...
「ショーン・オブ・ザ・デッド」(原題:ShaunoftheDead)は2004年公開のイギリスのホラー・コメディ映画です。エドガー・ライト監督、エドガー・ライト/サイモン・ペグ共同脚本、サイモ...
【2016/06/07 3:24 AM】 楽天売れ筋お買い物ランキング |
ショーン・オブ・ザ・デッド
今年、最初に鑑賞した映画、 「宇宙人ポール」が楽し過ぎて、常々関連作品を観たい観たいと思ってましたが、先日やっとグレッグ・モットーラ監督の「スーパーバッド 童貞ウォーズ」を鑑賞出来ましたが、ついに、主演兼脚本コンビのサイモン・ペッグ&ニック・フロスト
【2012/05/17 3:54 AM】 コツコツと映画を観てます。 |
『ショーン・オブ・ザ・デッド』この映画を見て!
第30回『ショーン・オブ・ザ・デッド』こんな人にお奨め!「ロメロの『ゾンビ』が好きな人、最近のゾンビ映画が物足りない人」今回紹介する映画は日本では劇場未公開の傑
【2006/02/13 1:49 PM】 オン・ザ・ブリッジ |
[映画] ゾンビのコメディー映画です。
「ショーン・オブ・ザ・デッド」って映画なんですけど。 Read more...
【2006/02/12 8:28 PM】 ひとりよがりなブログ 【マスカット・ブログ】 |
ショーン・オブ・ザ・デッド
やっと観る事が出来ました。 「ランド〜」より先に買ってあったのですが、とうとう年の終わりになってしまった。何故ならレンタルで一度観ていたから(笑
【2005/12/31 8:28 PM】 タクシードライバー耕作のDVD映画日誌 |
DVD「ショーン・オブ・ザ・デッド」
ゾンビ映画なんだけど、笑える! ゾンビ映画であり、青春映画であり、友情モノでもあり、、、恋愛モノでもあるかなぁ〜?? ココまで怖くないゾンビは、見たことがないかも!!今のゾンビって凄くメイクが凝っていたりするのにコレってばただ青白い顔にしてカラーコ
【2005/11/03 4:14 PM】 ☆ 163の映画の感想 ☆ |
ショーン・オブ・ザ・デッド
噂(?)の「ショーン・オブ・ザ・デッド」をようやくレンタルできました。 いやいや面白かったですよ。 ゾンビ映画とコメディのミックス。いいじゃないですか。 こんなに笑えるゾンビ映画は始めてです。 いいですね〜、こういう斬新な作品は。 ただ、ゾンビ映画を
【2005/09/08 12:56 PM】 ★☆★ Cinema Diary ★☆★ |
**デッドへの愛が溢れてる〈ショーン・オブ・ザ・デッド〉**
 ロメロさんもいたくお気に入りのようである。 冒頭の音を聞いただけでそれは確信できた。そしてエンドクレジット終わりのあの曲。好きで好きでしょうがない感じなのだ。
【2005/09/06 12:03 AM】 日刊【考える葦】Returns |
映画を見たで(今年105本目)−ショーン・オブ・ザ・デッド−
監督:エドガー・ライト 出演:サイモン・ペッグ、ケイト・アシュフィールド、ニック・フロスト、ディラン・モーラン、ルーシー・デイヴィス、ペネロープ・ウィルトン、ビル・ナイ  評価:88点(100点満点) どうしよもないダメダメ男(ショー
【2005/09/01 12:19 AM】 デコ親父は減量中 |
ショーン・オブ・ザ・デッド
ゾンビのパロディ的内容のコメディかと思っていたら内臓食べてました?! ノロノロ・ゾンビが襲ってくる、前半は笑って後半は少し怖い話でした。
【2005/04/01 10:50 AM】 観た映画メモっとこ |
ショーン・オブ・ザ・デッド
ショーン・オブ・ザ・デッド2004年 イギリス監督:エドガー・ライト出演:サイモン・ペグ/ケイト・アシュフィールド/ビル・ナイストーリー:パブに入り浸りマンネリ化した生活を続けているショーン。そんなある日...
【2005/03/27 2:43 PM】 爆裂BLOG |

PROFILE
RECENT COMMENT
  • ウルトラ6兄弟VS怪獣軍団◇血に飢えた白い猿。
    シザース (06/05)
  • 吸血鬼ゴケミドロ◇人間なんてララーラーララララーラ(唄:高英男)。
    johnnyA (09/20)
  • サイボーグ009 超銀河伝説◇行かなくてもよかった宇宙。
    ぼびー (08/02)
  • サイボーグ009 超銀河伝説◇行かなくてもよかった宇宙。
    おりおなえ (04/22)
  • ハヌマーンと5人の仮面ライダー◇ライダー残酷物語。
    マイケル村田 (01/23)
  • ムーンウォーカー◇マイケル・ジャクソンがやってくる ポゥ!ポゥ!ポゥ!
    生きろよ (10/26)
  • サイボーグ009 超銀河伝説◇行かなくてもよかった宇宙。
    名無し (02/27)
  • 楽な仕事カミングアウト。
    Keiya (02/27)
  • 見てしまった人たちへ。
    ゆにこーん (02/02)
  • ハヌマーンと5人の仮面ライダー◇ライダー残酷物語。
    cff (02/02)
NEW ENTRIES
CATEGORIES

サーチ:
キーワード:
Amazon.co.jpアソシエイト
Google

RECENT TRACKBACK
ARCHIVES
BlogPeople
 
 





blog seo tool : track word
blog SEO tool
Amazon.co.jp アソシエイト
PAGETOP