このブログを読んでくれるような人なら、
「廃墟が好き」という人もある程度いるんじゃないだろうか。
そういうぼくも、もちろん廃墟は好きだ。
ただ廃墟といっても、寂れた建物にはさほど興味がない(それなりには好きだが)。
ぼくが気になって仕方ないのは、
町全体が廃墟の状態。
いわゆる
ゴーストタウンというやつだ。
それも、山奥の廃村みたいなひっそりした感じじゃなく、普通の町なんだけど人間が一人もいない、そんな状態に憧れるのだ。
そんな妙な嗜好の原型になったのは、おそらく中学生のときに読んだこの小説だ。
こちらニッポン…
小松 左京
小松左京の
「こちらニッポン…」という作品である。
主人公がある朝目覚めると、自分以外の人間が世界から消えてしまっている。
ほかにも消えずにいた数人の仲間たちとともに、なぜこんな事態になってしまったのかを究明する旅をはじめる……という話なのだが、当時このシチュエーションにものすごく憧れたものだ。
くり返すが、朝起きたら、
自分以外の人間が消えているのだ。
なんたる自由だろうか。
映画とかビデオとか観ほうだいだし、ゲームだってやり放題だ。
腹が減ったらコンビニにでも行けばいい。
人がいなければお金も要らないし、銭湯なんか貸し切りなのだ。
列挙するだにくだらない、中学生が考えそうなバカな憧れだが、いい大人になったはずの今でも、こう書きながらワクワクしている自分がいる。
要は、世界に自分ひとりだったら、なんでも好きなことができていいのに!という、
のび太レベルの願望なんだけども。
いくら憧れても、実際には起こりえないであろうこのシチュエーション。
しかし、ぼくの夢を叶えてくれる世界があったのだ。
それは映画である。
終末を描いた映画のいくつかで、憧れのゴーストタウン状態が出現しているのだ。
ここからの数エントリーは、第1回特集上映として、そんな「自分以外全員消失」映画を紹介してみたい。
まず1本目はこちら。
地球最後の男 オメガマン 特別版
<1971年/アメリカ/99分>
スタッフ
監督: Boris Sagal ボリス・シーガル
製作: Walter Seltzer ウォルター・セルツァー
脚本: John William ジョン・ウィリアム
Joyce Hooper Corrington ジョイス・フーパー・コリントン
撮影: Russell Metty ラッセル・メッティ
音楽: Ron Glainer ロン・グレーナー
編集: William Ziegler ウィリアム・ジーグラー
字幕: 高瀬鎮夫 タカセシズオ
キャスト(役名)
Charlton Heston チャールトン・ヘストン (Nebil)
Anthony Zerbe アンソニー・ザーブ (Masyes)
Rosalind Cash ロザリンド・キャッシュ (Lisa)
Paul Coslo ポール・コスロ (Duth)
ストーリー:
細菌兵器の使用によって荒廃した世界。自ら開発した血清によってただ一人生き残った科学者は、奇怪な亡者と化した人類と闘い続ける……。リチャード・マシスンのSF『地球最後の男(I Am Legend)』の二度目の映画化作品。
この映画では、人類は細菌戦争によってほぼ絶滅している。
爆弾とかでなくウィルスで死んだわけだから、荒廃はしているものの街は無傷という、
理想のゴーストタウンだ。
そんな人っ子一人いないロサンゼルスの街を、真赤なオープンカーで優雅にドライブする、主人公のネビル(チャールトン・ヘストン)。
助手席には自動小銃。
カーステレオから
「夏の日の恋」が流れてくるのだが、終わってしまった街におよそ不似合いな、のどかきわまるこの選曲。絶妙といえる。
車が壊れたら、そのへんのカーディーラーから新しい車をいただき、映画館では『ウッドストック』を勝手に上映、貸し切り映画大会を楽しむネビル。
こんなふうに毎日過ごせたら極楽というものだが、そう上手くはいかないのが現実だ。って映画だが。
こんな世の中にも「敵」が存在するのである。
細菌兵器に感染してしまった人類がそれだ。
彼らは細菌の影響で、皮膚や頭髪や瞳が
真っ白になってしまっていて、光に弱く、昼間活動することができない。
そのため、吸血鬼よろしく、夜になると起き出して活動を始めるのだ。
白くなってしまった黒人。
そうなってしまったとはいえ同じ人間で、普通に喋ったりして意思の疎通もできるわけだから、なにも敵対しなくてもよさそうなものだが、感染した人類(以下「新人類」)を束ねる男・マサイアスの思想のおかげで、彼らはネビルを目の敵にしていたのだった。
新人類は、夜ごと街に繰り出して、文明の象徴である絵画や書物を焼き払う。
文明の発展した結果がこの戦争だったのだから、人類は文明を捨てなければならないというわけだ。
そんな彼らを挑発するように、ネビルはこうこうとスポットライトで照らされた(
新人類よけ)、機械文明バリバリの要塞みたいな家に住んでいるもんだから、対立は激しくなる一方。
いまではお互いに殺しあう存在となっていた。
殺しあうといっても、
銃弾を惜しみなく使うネビルに対して、機械を否定する新人類たちの武器は、主に
放火。
ネビルの家を攻撃する際にも、
「我々の最大の武器はこれだ!」
と持ち出してきたのが
投石器だったりして、人数がいるわりに劣勢を強いられる新人類軍であった。
新人類軍最大の攻撃。
そんなある日、街に出たネビルは、ある洋服店で若い黒人女性に出会う。
ひそかにネビルを尾行していたらしい彼女は、彼に見つかりそうになると
マネキンのフリをしたりするオチャメな女性だ。
クイズ:ひとりだけ本物の人間がいます。どーこだ?
……ここまで読んで「あれ?」と思っている人のためにハッキリ言っておくことがある。
ネビルはべつに「地球最後の男」ではなかった。
新人類は男も女も
モリモリいるし、感染してない人類も、じつはそれなりに生き残っていたのだ。
先ほどの黒人女性・リサとその仲間たちは、感染していない少年少女たちでコミュニティを作り、山に隠れ住みながら、街の様子をうかがっていた。
地球最後の男とか女とか子供とか。
そんな彼らのために、ネビルは自分の血で血清を作り、きたるべき感染を防ごうと考えるのだが、マサイアス率いる新人類は、ネビル抹殺に動き始めていた……
夢のゴーストタウンライフには、それほど重点を置いて描かれているわけではないのだが、ボンクラが観れば、数少ない描写の中に、間違いなくうらやましさを覚える映画である。
ところでクイズの回答はこちら。
「あ、バレてもた!」
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